舞台『新撰組伝ーXρόνος(クロノス)ー』
-時の神は時として、平成最後の少年を最後の新撰組隊士にする-

作・演出の伊木 輔、特別インタビュー

既存の時代劇を凌駕するものを創りたい
【アニメーション&ゲームと舞台とのコラボレーション】



Q.前回公演『生きていた総司』はいかがでしたか?
A.声優の置鮎龍太郎をナレーションに迎えた前作【生きていた総司】は御陰様を持ちまして大好評のうち終わりました。観劇して頂いた、堀川りょうさんは「素直に面白かった」とおっしゃって下さり、水田わさびさんもブログで「どれだけ稽古したんだろ、圧巻でした」とコメントして頂きました。
過去公演など見て頂ければ分かりますが、うちは必ずメインキャストをオーディションで大抜擢します。次回は人気の【新撰組伝】しかも、最新作とだけあって、お客様や業界からも相当期待されています。だからこそそれを超える新しい挑戦をしたいんです。置鮎龍太郎さんとのコラボレーションを超えるために更に様々な方をゲストに迎えました。


Q, 前回を超える新たな試みは何ですか?
A,僕自身とても大きな挑戦になるのですが、『世界のニナガワ』の芸術的要素をふんだんに取り入れます。
もともと蜷川さんが『世界のニナガワ』と呼ばれるようになったのは1983年にギリシャ悲劇の【王女メディア】が世界で好を評したからなんです(主演・平幹二郎)。その蜷川さんが最も得意とされていた【ギリシャ悲劇】の決して表に出る事のない様々な芸術的要素を判る限り出来るだけふんだんに取り入れようと思っています。
今回のタイトルである【クロノス】は時間を司る神で、ギリシャ神話の原始の神。蜷川カンパニー時代に教わった「神VS人間」のあらゆる要素をキャストと共に散りばめて行けたらと思っております。


Q,伊木さんの作品は本番でも台詞やシーンが追加される事が魅力の一つですが。
A,既存の演出術の他に、故・蜷川幸雄が残した演技面でのダメ出しを更に演出に組み込み、既存の台本では不可能であったその人本来の魅力を役者と共に描く「当て書き」をして、シーンや台詞をどんどん増やしていきたいです。
元祖の蜷川さんの貴重なダメ出しは、2か月前に業界で初めて(株)ニナガワカンパニーの特別な認可を受けて別世界カンパニーのホームページにのっており、新たにかなりの量のダメ出しが発見されました。(因みに最初は15年前の藤原竜也君へのダメ出し)蜷川さんご本人の生の声で、しかも昭和という激動の時代上かなり激しいダメ出しですが、今の若い人は皆、怒鳴らなくてもきちんと説明すれば理解できるので、一人一人の個性や才能に応じて一緒に発展させていければよいかなと思っています。前回【時代の節目節目には必ず年号が変わる。そして必ず大きな戦争が起こる。】という台詞があったんですけど本当にシリアで戦争が起きてしまった。悲しい当たり方です。


Q,今回も(株)青二プロダクションから大物がゲストにきていらっしゃいますよね。
A,今、平成の時代が終わろうしています。その現在(いま)を生きる男女が時間神クロノスによりちょうど150年もの時を遡り、幕末へ降り立つ。
今回はどうしてもナレーションではなくキーパーソンである『クロノス』の声を演って欲しかったんです。初の試みです、声と役者の共演。その事をプロットと共に前作好評を頂いた(株)青二プロダクションの営業本部長にお伝えした所、何とゲーム界のレジェント三浦祥朗(ひろあき)さんを推薦して頂きました。乙女ゲームやBLゲームだけでなく、様々なゲーム、アニメ、テレビにも出演されていらっしゃる凄い方です。緊張します。


Q,引き続き代々木アニメーション学院も全面協力ですが?
A,今回も代々木アニメーション学院の全面協力の下、テレビアニメも収録可能な専用ブースで三浦さんと共に収録や台詞の共演、見学ができます。
また、今回テーマが【アニメ―ションやゲームと演劇とのコラボレーション】ですので、これも初めての試みで、募集要項、チラシ等のデザインを、同じく代々木アニメーション学院のイラスト科の優秀なクリエイターにお任せしました。完成度高いですよね、凄い!


Q,更にアクション界からも凄い助っ人がいらっしゃるそうですが、どういった方なのでしょうか?
A,15年以上前からお付き合いさせて頂いている古賀亘(モーションアクター・モーションコーディネイト・殺陣・スタント)さんですね。アクション界のレジェントと言っても過言ではないでしょう。
モーションキャプチャーは、現代のSF映画やアニメーションに欠かせない重要な技術です。人間の動きをデジタルで記録し、それらしい動きの再現に利用される。いずれも高度な技術を必要とするため、どうしても専門家に頼らざるを得ない。全身の動きをキャプチャする魔法のボディスーツを使用し、センサーで正確な動きをキャッチする。古賀さんは日本で初めてプロフェッショナルになった方で、現在通用するのは3人、ご自身と奥様、お弟子さんだけと言われていて僕自身もそう思います。アクションゲームやロールプレイングゲームを操作されている方は、古賀さんを操作してると思った方がより楽しめますよ(笑)


Q,前作を超える成功の秘訣は何ですか?
A,今までの声優さんは、堀川りょうさん(出演)、置鮎龍太郎さんや水田わさびさん・松本梨香さん(出演)はナレーションでした。しかし今回はクロノスという”役”です。そして様々な一流とのコラボレーションです。
だから今回はより一層合格した皆と、演じてもらう役のキャラクターを深め掘り下げて共に作りあげ、作品の世界観を創り、そしてやっと三浦さんや古賀さんに提示出来るのかなと思っています。


Q,応募者に求める事は?
A,月刊オーディションブルーの取材と重複してしまいますが、演じたいキャラクターや好きなキャラクター、アニメでも何でも構わないので書いてほしい。
夢やこれからやりたい事があれば自分なりの言葉で良いので教えて欲しい、意気込みとかでも良い。
男役だから男、でなく、役は男女を問わないので自信をもって応募してほしいです。


Q,最後に一言お願いいたします。
A,2018年は私達にとって平成30年という節目の年。そして明治維新から丁度150年目。そして沖田総司が亡くなってから丁度150年目の年なんです。そんな節目の年に我々は『新撰組伝ーXρόνος(クロノス)ー』を上演致します。もし本当に総司や新撰組隊士が生きていたら、幕末をどのように駆け抜け、丁度150年後に生きる私達をどのように思うでしょうか。
『新撰組伝』最新作のテーマは過去と未来の時間軸です。時代劇や殺陣を好きな人はもちろん、現代劇、映画、もちろんアニメーションが好きな方。経験は問いません。この節目の年に一緒に舞台に立って自分の夢を叶えましょう。
まだ見つかってない人も必ずきっかけになります。何故なら150年前亡くなった沖田総司は「百姓上がりだけど仲間と京へ上り武士になりたい」という夢をもって新撰組に入り、見事武士になるという夢を叶えました。近藤勇は甲府城の城主、大名にまでなりました。私達に出来ないはずがありません。全国募集です、これを機に東京進出はいかがですか、私共のカンパニーでは地方の方が上京される場合様々な補助制度があります。今回のテーマは【アニメ―ションやゲームと演劇とのコラボレーション】です。様々なプロフェッショナルがコラボレーションする本作品で、様々な方々と逢えるのを楽しみにしております。
最後に。プレイヤーになるのは君自身です!